【小水力発電事業】地域で活きる”水の流れから生まれる再エネ” メリット・デメリットをわかりやすく解説
2026/2/12
- プロジェクト
小水力発電事業とは、川や用水路などの「水の流れ」を使って発電する事業で、地域に根ざした電源として注目されています。
本記事では、小水力発電の仕組みからメリット・デメリット、環境価値(再エネ価値)の考え方、そして活用方法や導入検討のポイントまで、まとめて解説します。
この記事でわかること
小水力発電の仕組み:ポイントは「落差」と「流量」
水力発電は、水の位置エネルギー(高さ)を利用してタービン(水車)を回し、発電機で電気をつくる仕組みです。
小水力では特に、次の2つが発電量を左右します。
- 落差:水が落ちる高さ
- 流量:どれくらいの水が流れるか
同じ川でも、季節や降雨、取水条件で流量は変化します。
そのため、小水力は「どれだけ水があるか」だけでなく、年間を通じた安定性や取水・放流の設計が重要になります。
小水力発電のメリットとデメリット
メリット:小水力発電が活きる理由
- 発電が比較的安定しやすい
- 地域の資源を地域で活かしやすい
- 長寿命で、運転コストが比較的安定
デメリット:課題は「場所」と「調整」と「時間」
- 適地が限られ、調査と設計の比重が大きい
- 許認可・関係者調整に時間がかかる場合がある
- 環境・生態系への配慮が欠かせない
小水力発電は、適地の制約や調整に時間がかかるなど、決して「手軽な再エネ」ではありません。
だからこそ重要になるのが、「つくった電気を、どう活かすのか」という視点です。
その電気がどんな意味を持ち、どこで、どのように使われるのかまで含めて考えることで、小水力発電の価値はより分かりやすくなります。
こうした考えの中で出てくるのが「環境価値」という視点です。
小水力発電の「環境価値」とは?電気+αの考え方
環境価値=「どんな電気か」を伝える価値
再生可能エネルギーには、実際に使う「電気としての価値」に加えて「その電気が再エネ由来である」という価値があります。
これが一般に言われる環境価値(再エネ価値)です。
電気は使う場所では「見分けられない」
ただし、発電された電機は送電網を通じて広く混ざり合って届けられます。
そのためコンセントから使っている電気が、どこで発電されたものかを見分けることが出来ません。
「地域の水から生まれた電気」であっても、使う側から見ると他の電気と区別がつかなくなってしまいます。
だからこそ「伝わる形」にする工夫が必要になる
そこで重要になるのが、この電気が再エネ由来であることや、地域資源から生まれていることを後から説明できる仕組みです。
環境価値とは、電気の量だけでなくその電気が持つ背景や意味をきちんと伝えるための考え方とも言えます。
小水力発電は「地域性」と「共生」を語りやすい再エネ
小水力発電は、水資源の活用や生態系への配慮など、地域や自然との関わり方が事業に直結します。だからこそ、
- どんな資源を使っているのか
- 環境とどう向かい合っているのか
- 発電した電気を、地域でどう役立てているのか
といった点まで含めて伝えることで、小水力発電は「地域に馴染む再エネ」としての価値を持つようになります。
導入検討で押さえたい“3つのポイント”
最後に、導入を検討する際のポイントをまとめます。
水のデータを集める
年間を通じてどれくらいの水が流れるのか、渇水や増水のタイミングはいつかなど、発電量の安定性を判断するための基礎データを把握することが重要です。
関係者とルールを整理する
河川管理者や水利利用者、環境面の配慮事項など、関係者との調整や役割分担を早い段階で整理しておくことが円滑な事業推進につながります。
土木・運用を一体で考える
設備を「つくりやすいか」だけでなく、長期間にわたって無理なく運転・保守できるかという視点で計画することが大切です。
小水力は「発電機を置けばできる」タイプの再エネではありません。だからこそ、地域条件に合えば、長く付き合える“堅実な電源”になり得ます。
どう使う?小水力発電の活用シーン3選
公共施設・地域施設の電力にあてる
役場や学校など、地域に欠かせない施設の電力として活用する事で、電気の使い道が見えやすく住民にも理解されやすい導入方法です。
企業の再エネメニュー・脱炭素電源として活用
地域で生まれた再エネを企業の脱炭素施策に活用することで、環境価値を含めた電源として説明しやすく地域経済の循環にもつながります。
防災・レジリエンスの視点
停電時にも電気が止まらない設計を組み込むことで、非常用電源や重要施設のバックアップ電源として活用可能。
災害時の安心につながる電源として評価されます。
小水力発電は、使い方次第で「再エネ導入」にとどまらず暮らし・産業・防災を支える地域インフラの一部として生かすことができます。
まとめ:小水力は“地域に馴染む再エネ”になり得る
小水力発電は、落差と流量という自然条件に左右されつつも、上手く設計・運用できれば、安定性・長寿命・地域循環という強みを持つ再生可能エネルギーです。
一方で、許認可や合意形成、環境配慮など、時間と丁寧さが求められる領域でもあります。
「地域資源を、地域で活かす」選択肢の一つとして、小水力の特徴を正しく理解し、自分たちの地域に合うかどうかを見極めることが大切です。
地域と産業をつなぐオープンイノベーション施設「エア・ウォーターの森」
産官学連携で地域の課題解決を目指すオープンイノベーション施設「エア・ウォーターの森」。
エア・ウォーター北海道㈱が運営する施設として、2024年12月にオープンしました。
様々なステークホルダーが集結し、大小様々なプロジェクトが日々生まれています。
エア・ウォーター北海道㈱が取り組む、地域で活用する小水力発電事業もここから生まれたプロジェクトの一つ。
地域を盛り上げる事業として現在推進しています。
企業情報
| 企業名 | エア・ウォーターの森
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|---|---|
| 事業内容 | 限りない潜在力と可能性を持つ北海道を舞台に、 「持続可能な社会の実現」と「安全・安心で豊かな暮らしの実現」のために社会課題に取り組むオープンイノベーション施設 |
| 所在地 | 北海道札幌市中央区北8条西13丁目28-21 |
| 運営会社 | エア・ウォーター北海道株式会社 |
| お問い合わせ | エア・ウォーターの森について、 ご不明な点があれば、こちらからお問い合わせください。 https://airwater-souen.jp/contact/ |
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この記事の著者

Masato.I
お酒とラーメンが大好きな1児のパパです。GX関連の業務に多く携わっているので、エネルギーや脱炭素の話題を分かりやすく発信します!
